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「これまで日本の医療は、医師の長時間労働に支えられている」
という現実を受けて、
医師の労働時間に上限ができます。
それにより、なにがかわるのでしょうか。
現在、医師の中でも科目によって大きな勤務時間の差があります。
たとえば救急や外科、産婦人科など
緊急手術でスピードが重視される科目では、
夜中に数人の医師が必要です。
いくら残業とはいえ、医師は働くに決まっています。
しかし、当直日数が減るなどして、病院に医師が不在だと
救急を断る病院も多くでてくるでしょう。
むずかしい判断です。
働きすぎる医師を守るためには、
①医師を増やすか
②病院を集約するか
です。
しかし医学部入学の人数を増やしても、救急医が増えるわけではありませんので
海外のように外科医や救急医のステータス(たとえば給与)をあげて、
外科医を増やすしかないかもしれません。
私が外科と救急をやっていたときは、緊急手術で腕が磨かれていたので、
よろこんで仕事していました。
残業はあってないようなものでした。
時代の流れとはいっても、医師は腕を磨かないといけない職業ですから、
おもいっきり仕事したい医師は、
めいっぱい仕事できる体制があってもいいのかもしれません。
決して強要はできませんが。
先日
週刊女性プライムの記事で
医療経済ジャーナリストの室井さんは以下のように言っています。
【「医師の長時間労働が規制されたとしても、長時間労働を生んでいる構造的な問題が解消しない限り、根本的な解決にはなりません。諸外国ではチーム医療が進み、職種間での役割分担が行われています。ワクチンは薬局で受けられ、看護師ができる処置も幅広く、医師の業務負担は日本よりはるかに少ないです」
また、イギリスなどでは厳密なかかりつけ医の制度があり、不調の際にかかる医療機関が決まっているという。日本のように、のどが痛ければ耳鼻咽喉科に、発疹ができれば皮膚科になど、自分で病院を選択するのではなく、どんな不調でもまずは登録しているかかりつけ医のところに行くのだ。
「日本でもイギリスのようなかかりつけ医を持つことで、自分の不調に敏感になり、大きな病気になる前に余裕を持って早めの受診を心がけることが今後、より求められると思います」
しばらくは続くと見られる医師不足。自分たちにできることをやって乗り切りたい】
私もこの記事をみて同感しました。
地域のクリニックと大学病院・総合病院のすみわけをしっかりするのです。
まずは自分のかかりつけ医に受診し、必要あれば総合病院に受診します。
総合病院がかかりつけなどありえないのです。
総合病院・大学病院の医師は、軽症を診る必要がなく、専門の治療に専念すべきです。
そうしないと、総合病院・大学病院の医師が疲弊します。
昼間は地域のかかりつけが
夜間は先生が集約された病院で当直をまわせばいいと思います。
いくつも中途半端な病院がたくさんあるから、当直する先生が増えるだけで、
専門外と言って患者さんを断る病院が多いのです。
逆に、昼間の地域のかかりつけ医を増やさないといけません。
それも、総合診療かかりつけ医を増やさないといけません。
総合診療かかりつけ医が全国に拡がれば、
日本の地域医療は守られると確信しています。
私はこれからいろいろなメディアを通じて
総合診療かかりつけ医が増えるように
普及活動していきます。