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医療法人 ONE きくち総合診療クリニック
現代の医療現場では高度な専門性が重視される一方で、高齢化が進む患者のケアや地域医療の充実が課題となっています。
高齢者の複数疾患への対応や、地域に根ざした継続的な医療サービスの提供が求められる中、いつでも、だれでも、どのような症状でも、まず診てくれるような医師が必要となる未来は、そう遠くないはずです。
しかし、現在の医療教育システムは専門分野に特化した研修が中心となっており、総合的な診療能力を持つ医師の育成が十分に行われているとは言えません。
では、若い医師は将来どのようなキャリアを選ぶ予定で、総合診療かかりつけ医に対してどのような思いを持っているのでしょうか。
そこで今回、医療法人ONE きくち総合診療クリニック(https://kikuchi-geclinic.jp/index.html)は、20~30代の医師(開業前)を対象に、「若手医師のキャリア」に関する調査を実施しました。
調査概要:「若手医師のキャリア」に関する調査
【調査期間】2024年10月23日(水)~2024年10月24日(木)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】504人
【調査対象】調査回答時に20~30代の医師(開業前)と回答したモニター
【調査元】医療法人ONE きくち総合診療クリニック(https://kikuchi-geclinic.jp/index.html)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
はじめに、「現在、どこで働いていますか?」と質問したところ、『総合病院(35.7%)』と回答した方が最も多く、『大学病院(32.1%)』『公立病院(13.3%)』となりました。
また、「現在のキャリアに対する満足度はどのくらいですか?」と質問したところ、『非常に満足している(28.6%)』『やや満足している(50.2%)』『あまり満足していない(19.2%)』『全く満足していない(2.0%)』という回答結果になりました。
20〜30代の医師の方は総合病院や大学病院などの大規模な医療機関で働いている傾向が示され、約8割の方が現状のキャリアに対して一定の満足感を持っていることが判明しました。
自身のキャリアに納得感をもち働けている若手医師の方が多いようです。
現在のキャリアへの満足度が明らかになったところで、将来的なキャリアに関してうかがいました。
「将来、開業することを考えていますか?」と質問したところ、『考えている(89.9%)』『考えていない(10.1%)』という回答結果になりました。
非常に多くの方が将来的に独立を視野に入れているようですが、開業を考えていない方も少数いることがわかりました。
開業を考えていない医師の方はどんな理由やキャリアプランをもっているのでしょうか。
前の質問で『考えていない』と回答した方に、「開業を検討していない理由は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『経済的なリスクが大きい(37.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『経営の知識や経験がない(17.7%)』『現在の職場で満足している(17.7%)』となりました。
開業に伴う経済的なリスクや経営に関する知識不足といった不安が大きく、また、現在の職場に満足していることも開業を関東していない要因となっていることが示されました。
さらに「将来的なキャリアとして検討しているものは何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『地方の病院勤務(19.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『大学病院勤務(19.6%)』『製薬会社や医療機器メーカーで働く(15.7%)』となりました。
地方医療や教育、企業での研究など、多様なキャリアパスを視野に入れている医師が多いようです。
一方で開業の検討理由やキャリアビジョンはどんなものがあるのでしょうか。
「開業を検討している理由は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『収入の増加(37.8%)』と回答した方が最も多く、次いで『将来的に地方の病院がより必要だと感じている(32.0%)』『働く時間を自分で調整したい(26.7%)』『患者との関係をより深めたい(26.5%)』となりました。
収入面に加え、少子高齢化や過疎地域の増加に伴う地方医療充実の必要性を感じて、開業を視野に入れている方が多いようです。
他にも、自己の裁量や医師と患者の関係強化も重視しているようです。
「現在の診療科目は何ですか?」と質問したところ、『内科(38.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『外科(14.7%)』『循環器科(13.9%)』となりました。
内科系を中心とした基礎的な診療科で働いている方が多いようです。
また、外科や循環器科といった回答も寄せられました。
では、開業を検討している方は、開業するにあたってどの診療科目を考えているのでしょうか。
ここからは、今後開業を検討している方にうかがってみました。
「開業するにあたって考えている診療科目は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『内科(32.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『外科(15.2%)』『総合診療科(14.8%)』となりました。
現在の専門性を活かしつつ、地域に密着した診療科を志向する傾向が見られます。
そこで、「なぜその診療科目を選びましたか?(複数選択可)」と質問したところ、『今の専門の診療科目だから(51.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『今の専門の診療科目が特殊だから(40.2%)』『開業予定の地域特性を鑑みて(21.6%)』となりました。
専門性を基盤にした診療科の選定が中心ですが、地域の医療ニーズを配慮して診療科を選定する方も一定数いることが示されました。
「総合診療科」は上位3番目に入るほど、開業の検討時に選択肢として考えられているようですが、専門性ではなく、どんな症状もまず診療を行う総合診療かかりつけ医に対し、現役の若手医師はどう感じているのでしょうか。
最後に、「どんな症状でもまず診療する総合診療かかりつけ医として開業するとしたらどう感じますか?(複数選択可)」と質問したところ、『興味がある(28.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『幅広い知識とスキルを活かしたい(27.8%)』『やってみたい(26.5%)』となりました。
多くの方が総合診療に対して前向きであり、幅広い医療ニーズへの対応と地域貢献を目指す姿勢が見られる結果になりました。
今回の調査結果で、20〜30代の医師が、現在の勤務環境やキャリアについてどのように感じているか明らかになりました。
総合病院や大学病院といった大規模な医療施設で働く方が多く、約8割の方が現在のキャリアに満足しているようです。しかし、現在のキャリアの満足度が将来的にも同じキャリアとして継続したいという要望には直結しておらず、開業を視野に入れている方が約9割という結果が明らかになりました。
理由としては収入の増加や自己裁量の確保が上位に挙がっており、現状のキャリアにさらに求める要素として示唆されています。
また働き方や経済的な利点に加え、将来的な地方医療への課題感も持っており、責任意識がみられる結果になりました。
将来的に開業を考えている方が非常に多い一方で、経済的なリスクや経営に関する知識不足といった不安から開業を考えていない方も少数おり、将来的に地方の病院や大学病院の勤務、製薬会社や医療機器メーカーでの勤務を検討していることが示されました。
開業後の診療科目の想定としては、現在の診療科目と大きな相違はないものの、総合診療科を選んだ方が3番目に多い結果と変化がでており、地域での幅広い診療需要を見越した判断が影響している様子がうかがえます。
総合診療かかりつけ医としての開業についても多くの医師が関心を示しており、地域医療の充実を目的とした包括的な診療を目指す姿勢が感じられる結果になりました。
若い勤務医の先生方は、開業を考えていて、総合診療かかりつけ医に興味をもっていることがわかりました。
この結果を大事にしたいです。
実際、開業するとなると、いろんなハードルがあり、
開業をあきらめたり、やりたいことが小さくなってしまうことがあります。
そこを国や自治体、大学などがサポートしてあげて、
総合診療かかりつけ医になってほしいです。