救急診療・総合診療・小児診療・CT/MRI
きくち総合診療クリニック

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きくち総合診療クリニック

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総合診療かかりつけ医が全国に拡がれば、
地域医療は守られる

理事長のあいさつ

Greetings from the Chairman of the Board

理事長のあいさつ

はじめまして、きくち総合診療クリニック 院長の菊池 大和(きくち やまと)です。
今回は私の生い立ち、このクリニックを開業した経緯や当院でできる検査、今後の展望をお話ししたいと思います。

きくち総合診療クリニック ロゴ

まずクリニックのロゴを見ていただきだいと思います。重く大きな地球を、柔らかいリボンが支えています。

これは、一人の重い命を、周りの人たちが支えていることを表しています。
きくち総合診療クリニックは、2024年4月11日で8年目を迎えます。
とても多くの方に受診していただき地域の方々に支えていただいております。
この場をお借りして感謝を申し上げます。
綾瀬市全人口84000人のうち、1/3の方が受診、通院しています。

私は、1978年神奈川県で生まれ、すぐに静岡に引っ越しました。
高校卒業まで静岡市で育ちました。

両親は日本人のサラリーマンの父親と韓国人の専業主婦の母親で、医療とは無縁の家庭で育ちました。
母親からは、人には差別をしないことをよく言われて育った気がします。

小学高学年の時に、シュバイツァーの伝記を偶然読み、医者という職業を知りました。
シュバイツァー博士は、音楽家ですが30歳のときに医学の勉強をはじめて医師になり、アフリカの貧しい国に一人で行き、その人たちと診療所をつくり、一人医療を始めます。
この伝記の内容が学生の私の頭に残っていて、高校生のときに医師になりたいと自然と思っていました。

1年間東京で浪人したのち福島県立医大に入学しました。
(浪人1年間は少なくても1日12時間以上は勉強しました。今でも夢に出てくるくらい辛い1年でした。)

福島市では6年間住みました。中古の車を親に買ってもらい、すごいエンジン音で黒い煙を出しながらもなんとか6年もちました。
6年間10畳ワンルームのアパートに住み、自炊・洗濯をすることは、男一人暮らしには面倒くさかったことを覚えています。

大学2年生のときに、父親が病で倒れ、何度も手術・入院を繰り返しました。
お見舞いに行くと、医師・看護師・病院で働くスタッフのことを気になってみるようになっていました。なんで挨拶をしてくれないのだろう、「頑張りましょうね。」などと一言話しかけてほしかったのを覚えています。病院は独特のにおいで嫌な場所です。スタッフの言葉遣いや態度に、患者さん・家族はとても傷つきますよね。

6年間の学生生活が終わり、卒業試験・国家試験を無事に合格して静岡に戻り、浜松医大の研修プログラムに参加しました。

私の年からは、スーパーローテーションと言って、すべての科(内科、外科、麻酔科、救急科、小児科、産婦人科など)を、1,2カ月の単位でまわって2年間研修することになりました。
私は、医師になったら外科医になりたいとずっと思っていましたが、2年間いろいろな科をまわり、各方面の先生の考え方を聞くことが出来て大変勉強になりました。

そこで思ったのは、先生たちは自分の専門にしか興味がないということでした。

おれは心臓が専門だから、私は皮膚が専門だから・・

ということは、その患者さんをまとめてみる主治医って誰なのだろうと。
人は臓器の寄せ集めではありません。

臓器別にみられたところで、結局その患者さんにとって、最良の治療はなんなのだろう。
いろんな先生から薬を出されて薬が盛り沢山になったり、患者さんが訴える言葉にも専門外だからと聞こうとしない先生たちに、研修医の私はおかしいとずっと思っていました。
私はいつも医師目線というよりは、患者さん・家族目線でした。

2年間の研修が終わり、磐田市立総合病院で外科の研修をはじめました。
とても充実した2年でした。2日に1回は夜緊急手術で呼ばれましたが、きついとは思いませんでした。手術することで患者さんが助かり、まわりの家族も喜んでくれる。
そんな毎日にやりがいを感じていました。

大学の先生からの勧めもあり、1年半ほど千葉柏の国立がんセンター東病院でレジデントとして呼吸器外科の勉強をし、その後茅ヶ崎の湘南東部総合病院に入職しました。
ここでは、とても多くの外科手術をさせていただき、また救急センター長として、救急にも携わりました。外科も好きでしたが、どんな患者さんがくるかもしれない救急にも興味をもっていました。
あかちゃんからご高齢の方、普通の風邪からおなかに包丁が刺さった人まで、なんでも診させていただきました。
このときでも、患者さんの気持ち・家族の気持ちを最優先にしてしっかり説明して、治療に理解していただくように心掛けていました。

7年弱のこの期間は、医師としての教養を身につけることができた有意義な時間でした。この期間に、日本救急学会救急科専門医を取得しました。

病院は病気になった方をみるところです。

外科や救急をやっていると、“もっと早く受診してくれたら”と思うことがよくありました。手術はやりがいがありましたが、もっと予防・早期発見・早期治療に力をいれたいと思うようになりました。

半年ほどアルバイトだけで何もしない時期がありましたが、そんな時に新しく座間総合病院が開院することを聞き、そこに総合診療科ができるということを知りました。
なんでも診るという総合診療科にとても興味がわき、オープニングから入職しました。開業する場所が決まったら、退職するという条件付きで。

座間でもいろんな勉強をさせていただきましたが、この先日本で必要になってくるのは、総合的にまとめて診てくれる医師だと強く思ったのも、ちょうどこの時期でした。
入職して2か月ぐらい経ち偶然通りかかった、ライズモール綾瀬の前の通り。
本当に偶然、テナント募集の張り紙が張ってありました。

私は、直感を信じることが多いです。

「ここだ!」と思い、その場ですぐ不動産屋に電話して、ここで開業したいと伝えました。

この場所は、駐車場が広いことそしてテナントとしては広めなことがポイントでした。私には、駅前や駐車場の無い場所はあり得ませんでした。
土日祝日夜間診るクリニックで、CTをいれようと初めから思っていましたので、60坪は必要と思っていました。

土日祝日夜間診療しないクリニックは、本当のかかりつけではないとさえ思っていたぐらいです。

“かかりつけ医”とは簡単に言えますが、“真のかかりつけ医”とは自分のこと・家族のことを過去現在未来含めてまとめて理解してくれる医師のことです。

日本のクリニックは、専門性が強い傾向があり、自分の専門以外はたらいまわしです。熱が出た・膝が痛い・めまいがする・苦しいなど、患者さんはどのクリニックにいけばいいのかわかりません。

自分の選択が間違えば、病気を見逃します。

そうなる方を少なくするために、日本には総合診療クリニックが必要だと思っています。各市に、1,2か所ぐらいまず診てくれるかかりつけクリニックがあればいいなと思っています。

今回のコロナのことで、かかりつけ医が大事だとわかった方も多いのではないでしょうか。総合病院や大学病院をかかりつけにする時代は終わりました。
身近に総合的に診てくれるかかりつけクリニックがあれば、とても安心です。

いつでも診てくれる・なんでも検査できる・なにかあれば総合病院にご紹介する。
医療の窓口は、総合的に診るクリニックです。

大きな楽しみと少しの不安を抱きながら、2017年4月11日に、きくち総合診療クリニックを開業しました。

看護師2名、放射線技師1人、事務4人でスタートしました。

なんでも診るという私の考えを理解してくださるスタッフたちには、いつも感謝しています。スタッフがいなければ、私が目指している「本当のかかりつけクリニック」にはなれませんから。

地域の方々に支えられ、2024年4月11日に8年目を迎えます。

1年前、2階の広いテナントが空きそうな気配があったので、直感を信じてすぐに管理会社に連絡し、2階へ拡張したいと伝えました。

それから約1年の工事が終わり、小児科・リハビリ・MRIがはじまりました。

スタッフも増えました。小児科の女性常勤医師1人が決まり、月・金の小児科は聖マリアンナ医大からの派遣の医師、そして水曜の整形外科は横浜市大から、土曜の整形外科は北里大からの医師、そして看護師8人・助手1人・技師3人・事務8人・リハビリ3人まで増えました。

当院は、普通のクリニックより具合の悪い方が多く受診するために、なにがあっても迅速に対応ができる体制が整えられています。

このクリニックで、検査の中心にあるのが、CTとMRIです。

頭痛・胸痛・腹痛・背部痛など、緊急の病気はすべて検査できるようになりました。
骨盤内の前立腺がんや子宮がん・膀胱がんなどはMRIで診断できますし、頭痛・手足のしびれは、頭部CT・MRIで脳梗塞・脳出血がわかります。
2人に1人が高血圧の時代ですが、合わせて糖尿病・脂質異常・高尿酸血症なども合併しているのが普通です。

定期的な採血やレントゲン・心電図で、心筋梗塞や脳梗塞を防ぎます。
脳MRIドックで脳動脈瘤を見つけ、くも膜下出血を防ぎます。
胸痛の方は、レントゲン・CT・心電図・採血・心臓エコーで病気を見つけます。
腹痛の方は、レントゲン・CT・腹部エコー・MRIで病気を見つけます。

外科にいたときに、たくさんの腹痛患者さんを診てきてCTもみてきましたので、異常か正常かの判断は勿論のこと、手術が必要かどうかもわかりますので、安心して受診して頂きたいと思います。

怪我をされた方は縫合したり、やけどの処置もしています。
喘息で苦しい方は、すぐ点滴や吸入処置、酸素を行い、しかるべき病院に搬送することもあります。
胃痛の方には、麻酔で眠って頂いて苦しくない胃カメラをしており、ほとんどの方が、楽だった、覚えていないと話されます。

睡眠時無呼吸の検査・治療や禁煙外来、ホルター心電図、肺機能検査、アレルギー検査、認知症検査もやっています。

癌に関しては、レントゲン・CT・MRI・超音波・内視鏡で早期に発見できます。
MRIのDWIBS(ドゥイブス)という検査は、全身のがんを見つけることができる最先端の検査です。

自費診療は、血液型・感染症検査や各種健康診断、MRIによる脳ドック、CTによる肺がん検診、免疫UPオリジナル点滴、にんにく注射、ビタミン点滴、プラセンタ注射をやっています。

新型コロナウイルスに関しては、昨年6月から神奈川県内のクリニックで一番早く自治体と契約し、抗原検査を始めました。
風邪の方、発熱の方は、コロナの検査をして否定してから次の検査をしないといけません。
熱が出る病気は山ほどある中で、抗原検査・PCR検査は避けては通れませんでした。
普段かかっている患者さんは、当然かかりつけで検査したいと思うのが当たり前だからです。

小児科も毎日診療できる体制になりました。
かわいい診察室でお子さんに必要な迅速検査もすべて揃っています。
お子さんの検診や予防接種もやっています。

今回、私が力をいれたのが、リハビリテーションです。
なぜなら私はリハビリをすることがとても大事だと考えているからです。
手術がうまくいっても痛みが残ることもありますし、うまく歩けるまでには時間がかかります。脳梗塞後・脳出血後は早期のリハビリ・長期のリハビリがとても大事だと父親から教えてもらいました。リハビリ機器は最新です。首・肩・腰・膝など痛い方は、どうぞお気軽にご相談ください。

近隣の総合病院、大学病院とは、緊密に連携をとっています。
紹介数はクリニックにしてはとても多く、1年で700件ほどあります。
知り合いの先生も多く、患者さん、ご家族と相談しながら、病院にご紹介しています。
これだけ多い理由は2つあります。
1つ目は、普通のクリニックより通院している方が多く、病気が重い方が多いこと。2つ目は、CTやMRIなど、総合病院なみの充実した検査ができ、病気を早期発見できる、ということです。
総合診療とは、一人の患者さんを、数多くの職種で支えることも意味していますので、一つのクリニックでなんでもできるのは、最良のことだと信じています。
今後の展望ですが、休みのないクリニックを目指します。

またクリニックに足りない、眼科や耳鼻科を増やしたいと思っています。
3年以内には、このクリニックを中心にサテライトクリニックや介護施設を増やしたいと思っていますし、総合診療ができる医師を増やし、訪問診療・訪問看護・訪問リハビリもやります。

そして、いつかはアフリカの貧しい国に診療所をつくるという個人的ですが最終的な夢も頭の片隅にあります。
また、このような総合診療クリニックを開業したい若い先生方の応援をしていきたいです。
日本中に総合診療クリニックが広がれば、私は後悔ありません。

医療は、信頼関係が大事だとよく言われますが、言葉だけでは意味がありません。
医師は患者さん・ご家族を安心させ、説明し納得して頂くこと、スタッフの言葉遣い・態度で患者さんの気持ちを悪くさせないこと、患者さん目線でわかりやすい医療・看護・リハビリを提供し、患者さんが困らないようにすることが大事です。

院長 菊池 大和

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。長くなりましたが、眠くならなかったでしょうか。

本当のかかりつけとはなにか、いつも自問自答しています。時代の流れに沿って、患者さんが求めていることを実践していきます。

今後ともきくち総合診療クリニック、そしてここで働くスタッフを宜しくお願い致します。

いつでも、なんでも、だれでもまず診る

これが、このクリニックの使命です。

2024年
クリニック8年目を迎えて
院長 菊池 大和