ブログ
Blog
Blog
視点を変えて、経済効果をまとめてみました。
1.重症化を防ぎ、高額な入院医療を減らす
日頃から同じ医師が診ていれば、
などの小さな変化に早く気づけます。
心不全、肺炎、脳卒中、糖尿病合併症などを、救急搬送や長期入院になる前に治療できれば、外来費用は多少増えても、より高額な入院・手術・集中治療を減らせます。OECDも、喘息・COPD・心不全などの回避可能な入院を、プライマリ・ケアの質とアクセスを測る重要な指標としています。
2.重複受診・重複検査・重複投薬を減らす
現在は、症状ごとに別の医療機関へ行き、
ということが起こります。
一人の総合診療かかりつけ医が診療情報と薬をまとめれば、不要な検査・薬剤費だけでなく、副作用による転倒、せん妄、腎障害、再入院も減らせます。厚労省も、複数医療機関の受診による重複・多剤投薬が、不要な薬剤費と副作用リスクを増やす課題だとしています。
3.救急車と救急病院の負担を軽くする
2025年の救急車出動件数は約769万件、搬送人員は約676万人でした。
「今日具合が悪いが、どこへ行けばよいか分からない」という人を、身近な総合診療かかりつけ医がまず診ることで、
を減らせます。
これは単に救急車の費用を減らすだけではありません。救急隊、救急医、看護師、病床という限られた資源を、本当の重症患者に集中させる効果があります。
4.専門医と大学病院の生産性を高める
総合診療かかりつけ医は、専門医を不要にする存在ではありません。
まず全身を診て必要な検査を行い、問題を整理してから適切な専門医へ紹介することで、専門医は専門治療に集中できます。治療が終われば地域のかかりつけ医が再び引き継ぐ。この循環によって、大学病院に軽症・安定患者が集中することを防ぎ、予約待ちや病床不足を軽減できます。
つまり、専門医療を減らすのではなく、専門医療の価値を最大化する仕組みです。
5.介護費と家族の介護負担を抑える
高齢者では、肺炎、脱水、薬の副作用、転倒、低栄養などをきっかけに、急に要介護状態になることがあります。
総合診療かかりつけ医が生活状況まで把握し、訪問看護、ケアマネジャー、地域包括支援センターと早くつながれば、
を減らせる可能性があります。
医療費だけでなく、介護給付費と家族の労働損失にも効果が及びます。
6.患者と家族の「時間の損失」を減らす
病院を何軒も探すことには、診療費以外の費用があります。
総合診療かかりつけ医にまず相談できれば、受診経路が短くなり、本人と家族が働ける時間を守れます。これは医療費統計には表れにくいものの、日本全体の生産性に関わる大きな経済効果です。
7.医療過疎地域を、より少ない資源で支えられる
すべての地域に、すべての専門医を配置することは現実的ではありません。
しかし、幅広くまず診て、必要な患者だけを専門医につなげる医師が地域にいれば、限られた医療人材でも地域医療を維持しやすくなります。遠方への通院や救急搬送も減り、自治体の負担軽減、住民の安心、地域の定住にもつながります。
| 対象 | 経済的メリット |
| 国・保険者 | 重症化、入院、重複検査、重複投薬の抑制 |
| 自治体 | 救急搬送、介護、医療過疎対策の負担軽減 |
| 病院 | 救急・外来・病床の混雑緩和 |
| 専門医 | 専門治療へ集中できる |
| 企業 | 欠勤、長期休業、介護離職の減少 |
| 患者・家族 | 医療費、交通費、待ち時間、付き添い負担の軽減 |
| 地域社会 | 医療への安心感が高まり、地域で暮らし続けられる |