救急診療・総合診療・小児診療・CT/MRI
きくち総合診療クリニック

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総合診療かかりつけ医が全国に拡がれば、
地域医療は守られる

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これからの日本で本当に問題になるのは、医師の数だけではないと思っています。

これから問題になるのは、

医療が途中で途切れてしまうことです。

例えば、胸が苦しくなったとします。

循環器を受診し、心電図や血液検査、レントゲンを受けます。

「異常ありません。」

それは間違いではありません。

循環器の先生は、心筋梗塞など命に関わる病気を除外しました。

ところが、一週間後。

胸に赤い発疹が出ました。

診断は帯状疱疹でした。

今度は皮膚科を探します。

さらに眠れなくなれば心療内科。

肩が痛くなれば整形外科。

私は、この流れに違和感があります。

病気は一つの流れなのに、

医療だけが途中で途切れてしまう。

患者さんは、そのたびに新しい病院を探し、一から説明し、また診てもらう。

特に高齢者にとって、この負担はとても大きなものです。

複数の病院へ通院し、薬が増え、誰が自分全体を診ているのか分からなくなる。

その結果、診断が遅れ、

「もっと早く相談していれば」

という後悔につながることがあります。

私は、専門医が悪いと言いたいのではありません。

専門医は、それぞれの専門分野を深く診る大切な存在です。

しかし、その専門医療を一人の患者さんの人生の中でつなぐ医師も必要です。

もし最初に総合診療かかりつけ医を受診していたらどうでしょう。

まず、命に関わる病気を除外します。

しかし、それで終わりではありません。

「今日は異常がなくても、数日後に発疹が出るかもしれません。」

「痛みが続いたら、もう一度来てください。」

「まだ別の病気の可能性もあります。」

そう言って、診断がつくまで患者さんを診続けます。

必要があれば専門医へ紹介し、

治療が終われば再び地域で診ます。

つまり診ているのは、今日の胸痛だけではありません。

胸痛から始まる、その人のその後です。

総合診療かかりつけ医とは、

今の病気だけを診る医師ではありません。

患者さんの医療を途切れさせない医師です。

患者さんが病院を探し続けるのではなく、

一人の医師が患者さんを診続け、

必要なときには専門医とつなぎ、

治療が終われば再び地域で支える。

その流れを最後まで見届ける医師です。

だから私は、これからの日本に本当に必要なのは、

総合診療かかりつけ医の育成と普及だと考えています。

総合診療かかりつけ医は専門医と競合する存在ではありません。

専門医療と地域医療をつなぎ、

患者さんが医療の迷子にならないよう支える存在です。

そのような医師が地域に増えれば、

高齢者の負担は減ります。

診断の遅れも減ります。

不要な重複受診も減るでしょう。

私は、国が支援すべきなのは

地域で患者さんを診続けられる仕組みです。

地域で診続ける医師がいなければ、

地域医療は成り立ちません。

だから、

総合診療かかりつけ医を支えることは、医師を守るためではありません。

地域の患者さんが安心して暮らせる社会を守るためです。

私は、この医療を日本中に広げたい。

誰も病院探しで困らない社会へ。

誰も「もっと早く相談していれば」と後悔しない社会へ。

その未来をつくるために、

総合診療かかりつけ医の育成と普及、そして地域で安心して診療を続けられるための国の支援が必要だと考えています。