救急診療・総合診療・小児診療・CT/MRI
きくち総合診療クリニック

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総合診療かかりつけ医が全国に拡がれば、
地域医療は守られる

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すこし近い未来

みなさんに、少し近い未来の日本を想像していただきたいと思います。

もし、このまま総合診療かかりつけ医が増えなかったら、どのような未来が待っているのでしょうか。

私はまず、患者さんが自分で病院を探し続ける社会になると思っています。

胸が痛ければ循環器内科。
発疹が出れば皮膚科。
腰が痛ければ整形外科。
眠れなければ心療内科。

しかし、人間の体は、診療科ごとに分かれているわけではありません。

胸が痛いからといって、必ず心臓の病気とは限りません。
腹痛だからといって、必ず胃腸の病気とは限りません。

高齢者であれば、
「なんとなく元気がない」
「食欲がない」
「最近よく転ぶ」
という症状の裏に、肺炎や心不全、脱水、薬の副作用などが隠れていることもあります。

それなのに、具合の悪い患者さん自身に、

「あなたは何科に行きますか?」

と選ばせている。

私は、ここに大きな問題があると思っています。

そしてもう一つ、大きな問題があります。

それは、

医療が途中で途切れてしまうことです。

例えば、胸が痛くて循環器内科を受診したとします。

心電図をとる。
心臓の検査をする。

そして、

「私の専門の検査では異常ありません。」

そう言われる。

でも、患者さんからすれば、胸はまだ痛いのです。

患者さんが本当に知りたいのは、

「心臓に異常がありません」

ということだけではありません。

では、この痛みは何なのか。

ほかの病気ではないのか。

この先どうすればいいのか。

次はどこへ行けばいいのか。

そこまで知りたいのです。

ところが、専門しか診ない医療では、

「私の専門ではありません。」

で終わってしまうことがあります。

そこで医療が途切れます。

患者さんは、また一人になります。

そして自分でインターネットを調べて、

皮膚科なのか、
整形外科なのか、
呼吸器内科なのか、
心療内科なのか、

また一から病院を探さなければならない。

私は、これは本来、患者さんにさせる仕事ではないと思っています。

検査が終わったところで、医療まで終わってはいけない。

誰かが、

「心臓ではなさそうですね。では、ほかの原因を考えましょう。」

「今日はここまで分かりました。次はこの可能性を調べましょう。」

「必要であれば、私が専門医につなぎます。」

そして最後に、

「また来てください。」

と言わなければならない。

それが、私の考える総合診療かかりつけ医です。

そして、この総合診療かかりつけ医が少なければ、次に起こるのが大病院への患者集中です。

何科かわからない。

近くのクリニックでは診てもらえない。

今日診てもらえるところがない。

そうなれば、患者さんは大きな病院へ行きます。

しかし、大病院の専門医には、本来、専門的で高度な医療を必要としている患者さんを診てもらわなければなりません。

入口を担う医師がいなければ、大病院の専門医までが、すべての患者さんの入口になってしまいます。

そして、その先にあるのが、救急医療の逼迫です。

これから高齢者が増えれば、

高血圧もある。
糖尿病もある。
心臓も悪い。
腰も痛い。
認知症も少しある。
薬も何種類も飲んでいる。

そんな患者さんが増えていきます。

それを臓器別、診療科別に分け続ければ、医療はどんどん細切れになります。

そして最後には、

「どこに相談したらいいかわからない。」

「今日診てくれるところがない。」

そうして救急車を呼ぶことになります。

私は救急医療にいました。

そこで何度も思いました。

もっと早く、誰かが診ていれば。

もっと早く、相談できる医師がいれば。

救急車を呼ばなくて済んだかもしれない。

入院しなくて済んだかもしれない。

そして、助かった命もあったかもしれない。

これからAIはますます進歩すると思います。

検査も進歩します。

専門医療も、さらに高度になります。

専門医は絶対に必要です。

大学病院も必要です。

救急医療も必要です。

美容医療も、もちろん必要です。

しかし、その一方で、絶対に減らしてはいけない医師がいる。

それは、

「何科かわからなくても、まず診ます。」

「今日困っているなら、今日診ます。」

「私の専門では異常がないから終わり、ではなく、ほかの病気も考えます。」

「必要なら私が専門医につなぎます。」

「専門医で治療が終わったら、また私のところへ戻ってきてください。」

そう言える医師です。

総合診療かかりつけ医がいない社会では、

患者さんが自分で医療を探し歩きます。

総合診療かかりつけ医がいる社会では、

医師が患者さんを必要な医療へ連れていきます。

私は、

「私の専門では異常ありません」で医療を終わらせない社会にしたい。

そして、

診断がつくまで、必要な医療につながるまで、その人を診続ける医師を増やしたい。

私は、日本人全員が、

「私のかかりつけ医は、この先生です。」

と名前を言える社会をつくりたいと思っています。

何でも相談できる。

いつもの薬もまとめて診てくれる。

そして、いつもと違う症状が出たときには、一番最初に受診できる。

平時の処方だけではなく、

有事の入口になり、その後も伴走する。

そんな総合診療かかりつけ医を、日本中に増やしていかなければならない。

それが、これからの日本の医療を守るために必要なことだと、私は強く思っています。