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AIが進歩するほど「総合診療かかりつけ医」の必要性は高くなると思います。
AIが強いのは、膨大な情報を整理することです。
過去の病歴、薬、検査結果、健診データ、症状の経過をまとめて、
「この変化は見逃さないほうがいい」「この病気も候補に入る」と医師に提示できます。
さらに将来は、家庭での血圧、脈拍、体重、歩数、睡眠などから異変を検知して、
本人が受診しようと思う前に医療機関へ知らせる役割も期待できます。
一方、総合診療かかりつけ医が強いのは、患者さん全体を知っていることです。
たとえば、82歳の患者さんが「なんとなく食欲がない」と言ったとします。
AIなら肺炎、尿路感染症、心不全、薬剤副作用などを候補として挙げられます。
でも、いつものその人を知っている医師なら、
「この人が自分から食欲がないと言うのは珍しい」
「最近奥さんを亡くして一人暮らしになった」
「最近薬が増えた」
「以前、肺炎のときも熱が出なかった」
という背景まで含めて、
**“今日は放っておいてはいけない”**と
判断できます。
特に相性がいいのは、次のような役割分担です。
がん治療でも同じです。
AIは「標準治療はこれ」「治療成績はこれ」「副作用はこれ」と説明できます。
でも、80歳で一人暮らしなのか、家族の介護をしているのか、
仕事を続けたいのか、治療費をどこまで負担できるのか
、「多少寿命が短くても家で過ごしたい」のか。
そこまで含めて一緒に決めるのは、人間の医師の仕事です。
だから私は、未来の形は
「AIか医師か」ではなく、
「AIを持った総合診療かかりつけ医」
になると思います。
そして一番重要なのは、
AIは患者さんがアクセスして初めて動くことが多いという点です。
高齢者、独居の方、認知症の方、そもそも具合が悪いと認識できない方ほど、AIにたどり着けません。
だから理想は、
AIが異変を医師に届ける。
AIが情報を整理する。
そして総合診療かかりつけ医が患者さんに手を伸ばす。
「平時はAIと健康を見守り、
有事には総合診療かかりつけ医が入口になり、
その後の人生まで伴走する。」
この組み合わせは、これからの高齢社会では非常に重要になると思います。